地方政治は二元代表制だと教わらなかったか?
皆さんこんにちは。勝谷です。
季節の変わり目ですが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
私は最近、風邪気味でして。
さて、そんな私に先日とある記事が飛び込んできました。
『任期満了に伴い、来年1月19日に告示、2月2日に投票が行われる京都市長選挙に、地域政党・京都党の前代表で、京都市議会議員の村山祥栄氏がすでに離党を済ませ、無所属で立候補することを表明しました。』
(NHK 京都 NEWS WEB10/16の記事を要約)
この記事を読んで、私は違和感を感じました。
どこに違和感があるでしょうか?そう思い読み返してみると
なるほど、「すでに離党を済ませ」という部分です。
なぜ違和感を感じたのか。
一般的な全国の首長選挙では「〇〇党公認」や「〇〇党が擁立」などというのを目にします。
でもこの記事には、「離党」とある。
だから違和感を感じたのでしょう。
なぜ今回村山氏は離党の上での京都市長選出馬という選択をしたのだろう。
という疑問から、今回はこれを記事にしようと思いました。
ということで今回は村山氏が結党した京都党のもつ理念をヒントに村山氏離党の理由を探り、これからの地方政治の在り方について考えてみようと思います。
🔷京都党とは
まずは、その京都党について整理しましょう。
京都党とは、2010年に当時元市会議員であった村山祥栄氏により結党された地域政党です。
地域政党・京都党は、
- 「国政政党とは異なり、京都主義(地域主義)を掲げ、地域独自の視点と発想により、京都の自立を推し進める。」
- 「納税者が納得できる行財政改革を断行することはもとより、全ての地域資源を生かして自立した京都経済圏を確立する。」
- 「住民自治の原則に則り、形骸化した二元代表制を本来あるべき姿に戻し、真の市民主導の政治を実現する。」
ということを党の綱領に挙げています。
ちなみに、私ごとですが、学生時代に京都党の市会議員のもとにインターン生として受け入れていただき、約2年間地方政治をすぐそばで勉強させていただいていました。
京都党HP
地域政党ですので、参加するのは地方政治ですが、地方政治には「二元代表制」という考え方が重要になります。
「なぜ、代表が京都党を離党し、無所属での京都市長選出馬を選んだのか。」
まさに「二元代表制」こそが、
村山氏が離党出馬をする最大のポイントの1つなのです。
🔷二元代表制について
では、二元代表制とは何でしょうか。
学校で習ったはずですが、もう一度確認してみましょう。
まず、憲法93条2項で「地方公共団体の長と議会の議員は、住民が直接選挙すること」を定めています。
つまり、この制度では「住民は長と議会という二元的な代表を持つ」ことになるため『二元代表制』と呼ばれるのです。
二元代表制の特徴は、「首長と議会のどちらも住民から直接選ばれる代表である」という点にあります。
「住民を代表する首長と議会」が相互に牽制・抑制し均衡することによって、ある種の緊張関係を維持しながら、議会が首長と対等の機関として、その地方自治体運営の基本方針を決定(議決)し、その執行を監視し、また積極的な政策提案を通して政策形成の舞台となることこそが二元代表制の本来の在り方であるといえます。
すなわち、本来の二元代表制の元では、議会は「政策決定」の機能と、執行機関に対する「監視・評価」の機能を果たすこととなります。
これに対して、国では「選挙で選ばれた議員で組織された国会において指名される内閣総理大臣が内閣を組織して、国会に対して責任を負う」という『議院内閣制』です。
国会では、国民を一元的に代表する国会に基盤のある内閣が行政権を持つため、内閣を「支持する政党(与党)」と「そうでない政党(野党)」の間に『与野党関係』が生まれます。
地方議会においても、「首長を支持する会派」と「そうでない会派」の間に、『疑似的な与野党関係』が生まれることがあります。
しかし、これは地方自治体の首長選挙の際に、各政党・会派の支持不支持の構造や国レベルでの緊張関係(国の議院内閣制の枠組み)を地方議会に持ち込んだことによって起こるものです。
本来(制度的には)、二元代表制においては与野党関係は発生しません。
では、なぜ地方議会において「二元代表制の大原則を厳守」を目指すべきなのか見ていきましょう。
🔷二元代表制の大原則を厳守すべき理由
単刀直入に言いますと『各党会派の相乗りや財界や各種団体の支援を受けた首長選挙では、各党、団体とのシガラミが改革の障害となり、改革しようにもできない首長が誕生するから』です。
これは日本全国の首長に見られることです。反対に、完全な無所属で、あらゆる団体の支援を受けずに当選した首長は、もれなく改革を進めているのです
- 「京都市役所出身」である
- 「自民・民主・公明・社民府連の推薦」を受ける
- 「共産対非共産」という構図
以上3点で市長選を勝ってきました。
①〜③を見てわかる通り、シガラミに次ぐシガラミを抱えているため、改革はほぼ不可能の状態でした。当然ですが、現在もその状態が続いています。
このように、シガラミの温床である門川氏が市長居座る間は、市民に実質的な選択肢を与えない選挙が行われています。そして、次も行われようとしていました。
京都市政が改革をもって前進するためにも、市民に選択肢を与え、自由闊達な議論を促し、本当の意味で市民が市長を選ぶ選挙が実現する必要があります。
そういった経緯の中で、地域政党・京都党の代表であった村山氏が、離党した無所属の身で京都市長選に出馬するのです。
これまで、村山氏がどうして離党をするのかという点を地方政治の特色から見てきましたが、皆さんはどう感じたでしょうか。
稚拙ながら、私の意見を次に述べさせていただきます。
🔷『村山祥栄さんに当選してほしい!』
もちろん、京都党に学生時代関わった身として、ポジショントーク的な政治的主張に見えると思います。確かにその面もあります。
とはいえ、皆さんも考えてみてください。「二元代表制の大原則」がありながら、多くの地方自治における首長選挙では、「二元代表制を軽んずる行為」がまかり通っているんです。
なぜ二元代表制を軽んずるか。
それは既得権ファーストな選挙の方が楽だからです。
ここでいう「既得権」とは何か。
それは政治家であり、政党であり、財界であり、各種団体です。
こういった選挙は「既得権」の対極にいる「市民」は二の次と捉えています。
それにより、意識的にか無意識的にかは分かりませんが、市民の求める市民のための政治が軽視されていくのです。
そこで、自らが立ち上げた党を離れ、政治生命を賭け、命を賭け、無所属として出馬し、「純粋な市民代表になり、市民のための政治を取り戻す」という思いを持つ政治家を落としていては京都市の未来はないはずです。
私は村山氏のような政治家が市長選に立候補する京都市がとても羨ましく思います。
ほかの都道府県や自治体においても、村山氏のような政治家が「二元代表制の大原則」を元に立候補する将来を求めます。
私は京都市民ではありませんが、日本国民の1人として、村山祥栄氏を応援しています。
皆さんも是非一度、村山祥栄氏を調べてみて下さい。きっと好きになり、共感するはずです。
参考までに、YouTubeに上がっている村山祥栄氏の決意表明記者会見の動画を貼っておきます。ご覧ください。
【2020年京都市長選挙 決意表明 記者会見】
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。
何か気になる点、大批判、評価、感想など、なんでもコメントお願いします。
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私のTwitterアカウントまでDM送ってください。
大村知事をリコールへ。
— 勝谷健士郎 / 政治経済 (@kenshir0213) 2019年10月23日
今年2月の愛知県知事選は投票率35.51%で大村氏の獲得票数は177万4763票。
約177万票獲得のカラクリは【自民・立民・国民・公明】の相乗りと弱い対抗馬。
あいトレの一件で自民・国民・公明の票を多数失うだろうし、リコールは全然あり得る。#大村辞めろ
画像出典:NHK選挙WEB pic.twitter.com/r1GPCi5qRT
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参考文献
・京都党HP
・村山祥栄氏の離党の敬意と思い