政治経済

民間企業の社会人1年目が様々なトピックで言いたいこと言っちゃうブログです。

学生は総長選挙から「政治」を感じる。

 2ヶ月後の2018年11月4日立命館学園の総長選挙が実施されるということで、今回は「総長選挙」から「政治への関心」を考えていきたいと思います。

 立命館学園(立命館大学立命館アジア太平洋大学、付属校などから成る)以外の学生も対象とした記事にしたいので、あえて立命館学園総長選挙の制度や流れについては触れません。

 

 本記事では、「若者の政治離れ、政治への関心の低下」という現在の状況を打開するための一つのきっかけとして、学生に身近な学内政治である総長選挙を挙げたいと思います。

 

総長とは?

 学校法人が設置するすべての大学・学校の教学を総括し、学園全体の教育の質の向上や研究高度化のために重要な役割を担う役職。つまり、学校法人の教学の責任者

 

理事長学長との違いは?

 理事長は、学校法人および傘下の大学(学校)の人事、予算、規則改定、組織改廃等について最終的な決定権限を持つ理事会によって選任される。つまり、学校法人の最高意思決定機関の長

 学長(校長)は、理事会によって大学(学校)における教育・研究に関する人事権・予算配分権を与えられ、大学(学校)の統治を行う。つまり、学校法人が設置する大学(学校)の最高執行責任者

 したがって、理事長総長学長の違いを簡単に表すと以下のようになる。

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※各学校法人によって多少異なる。(総長が学長を兼任している場合などもあり。)

 

 ここまでで分かる通り、総長は学生に直接影響する「教学」分野の責任を担っています。また、総長は学長を兼任している場合も多いため、その場合は学生生活全般の改善・改革等への権限も持っているのです。(※ちなみに、立命館学園の総長は立命館大学の学長も兼任するので、まさにこれに当てはまります。

 

 自分が所属する大学の総長選挙が、「いつ行われているのか、どのように行われているのか」について知らない学生も多いのではないでしょうか。これでは、知らない間に知らない人間が自分の大学のトップになっている状況を許してしまうことになります。

 

 私は学校内でこういった声をたまに耳にします。

「グローバル、グローバル言い過ぎ。」

「もっと社会に出てすぐに活きる学問を教えろ。」

「思想が偏りすぎの教授が多い。」

「こんなプログラムがあればいいのに。」

「学部間交流がもっと欲しい。」

「人が多すぎてご飯食べる場所がない。」

 などの様々な指摘・意見・不満です。

 

 学内で教育を受け、生活している学生にとって、上記のような意見・不満、またはもっとミクロなものであったとしても、誰しもが何かしらの意見を抱えているものだと思っています。

 年間100万円以上(私立の場合)の多額の学費を払いながら、抱いた不満に対して泣き寝入りするのは悔しくないですか?

 年間100万円以上も払っているのだから、自分が属する環境を自分が得する、または損することのない、環境にしたいと思わないですか?

より良い環境の方が確実に自らの大学生活を充実させられるはずなのですから。

 

 それに加えて、最近の日本大学アメフト部の悪質タックル問題に対する大学トップの対応によって、日本大学のブランドが明らかに低下したことは記憶に新しいと思います。この他にも大学の不祥事、また、それに対する不誠実な対応で大学ブランドを低下させたという事実は少なくないはずです。

 これらに学び、5年後・10年後の大学ブランドを左右させる存在の大学トップ(総長)の人選は、大学ブランドの影響を今後受けていくであろう全大学生自身が慎重になって考えなければいけないと思います。

 

 そのためには、学校法人の教学の責任者であり、大学の最高執行責任者である総長(※総長が学長を兼任する場合)学生が慎重に選ばなければなりません。知らない間に知らない人間が自分の大学の総長になっていてはいけません。

 だからこそ、総長選挙には学生として一定のアンテナを張り、参加していくことが大切です。しかし、基本的に総長選挙は選挙人制度を採用しているので、全学生が総長選挙立候補者に直接1票を投じることはできません。一般の学生は選挙人に対する投票しかできないので、選挙人選挙に足を運ぶしか参加方法がないのです。

 ただ、大勢の学生が大きな注目を総長選挙に向ければ、当選後の総長はしっかりと学生を向いた学内政治を行っていくはずです。ここが最も重要なところです。だからこそ、総長選挙に直接投票できずとも、選挙人選挙に行けずとも、総長選挙および総長に注目することが間接的な学内政治への参加になるのだと思います。

 

 「若者の政治離れ、政治への関心の低下」という状況の中では、すぐに国政への関心を高めるといってもなかなか難しいのかもしれません。それならば、まずは身近な政治に目を向けて関わっていくことが、国や地方政治への関心を高める第1歩目になるのではないでしょうか。そう考えて、今回は身近な政治の一例として、総長選挙という学内政治を挙げてみました。

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 政治に興味を持つ第1歩目、学生にとって最も身近な学内政治が動く瞬間を肌で感じるために、これから大学で行われる総長選挙に注目していきましょう。

 

※この記事を投稿した後、立命館総長候補者公開質問会(全学生が視聴できる生配信)を開催しました。これは創立初の催しでした。

↓その時の様子をご覧ください。

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 ※本記事では学校法人(私立)というのを前提として書きました。国公立大学の仕組みとは異なる場合があります。その点はご了承下さい。

 

 ここまでお読みいただいてありがとうございました。

 

〈参考文献〉

立命館学園通信 総長選挙特別号 「総長選挙2018 RS」

公益社法人経済同友会 「私立大学におけるガバナンス改革」ー高等教育の質の向上を目指してー

https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2011/pdf/120326a_01.pdf

 

 

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